筋肉の話

こんにちは鍼灸整骨院げんき堂です。

自身のカラダを動かすのに必要な筋肉。筋肉には大きく分けて3つの役割があり、体を支え・動かし・エネルギーを蓄える機能があるので筋肉の量が減ると姿勢が崩れ・動きが鈍く・体力や気力が低下する事になります。さらに、筋肉が弱って衰えていくと動作が鈍くなったり関節痛の要因になりえるだけではなく、便秘や糖尿病のリスクや認知症の進行が高くなることがわかっています。
筋肉が弱く衰えていると、健康被害が大きくなり生活の質が低下し寝たきりや行動が制限され寿命も短くなってしまいます。

筋肉の量が減ると、転倒したり・病気にかかったりするリスクが増えます。つまり、よく加齢による転倒や病気のリスクも加齢による筋力の低下によるものもあるという事なので、筋肉量を増やしたり鍛えるほど長生きで健康でいることができるという事です。
筋肉の成長のピークは20歳ごろで、筋肉の組織は太く長くなっていきます。そして、20歳ごろを過ぎると少しずつ筋肉量が減っていき、70歳代では20歳代の4割程度に減少するようです。特に、30〜50歳代の中年期にあまり運動をしないで過ごすと、筋肉が急激に減少する可能性があります。
1つの目安として、高齢者の歩く速さと10年後の生存率を調べた研究では、普通以上の速さ(毎秒1.4m以上)で歩けるグループと、歩行速度が遅い(秒速0.4m未満)グループとを比べると、10年生存率に3倍程度の開きがあることがわかりました。つまり、歩くのが速い人、すなわち筋肉量が多い人ほど長生きできることを表しているので、歩くのが遅いと感じている人は、運動や適切な食事などによって速く歩くことができるようになれば、健康や寿命を伸ばすことが可能です。

しかしながら加齢に伴い筋肉量は減っていきます。そして、筋肉が減ると、肺炎や感染症、糖尿病などさまざまな病気のリスクも高まります。
特に、筋肉が減ると免疫機能が低下し、肺炎などにかかる人が多いこともわかってきました。厚生労働省研究班の報告によると、筋肉量の少ない高齢の男性は、多い男性に比べて死亡率が約2倍になるとの調査結果がでています。

将来、健康的な生活を過ごそうと思うのなら筋肉量の維持や増強は必要です。そして、筋肉量の維持や増強には運動が欠かせません。筋肉量を維持するためには、少なくとも1日6000〜8000歩は歩くことが必要ですが、さらに筋力を増やすには筋力トレーニング(筋トレ)を行う必要があります。
筋肉量は年齢とともに低下しやすくなりますが、筋トレを行えば、高齢になっても筋肉を増やすことができます。
筋力が落ち移動機能が低下した高齢者を対象に1時間程度の運動を週2回行った調査では、1年間で筋肉が5.5%増加しました。運動は継続して行うことが大切なので、比較的取り入れやすい運動を生活の中に取り入れて行うとよいでしょう。
筋肉を鍛えて強くするためには体を適度に動かさないといけませんが、運動強度が強すぎると筋や関節を痛めることに繋がるので、運動を行っている際に痛みや違和感を感じるのであれば運動を一時中断し運動内容を見直す必要があります。
健康や体の事を考えて行っていること逆の結果にも繋がりかねないので注意しましょう。

そして、筋肉の増強には食生活も重要になります。
運動のあとにコップ1杯の牛乳や豆乳をとるなど、運動と併せて栄養をとることも効果的ですが、特にたんぱく質を摂取するようにしましょう。
筋肉はたんぱく質でできており、合成と分解が常に繰り返されていますので、食事でもたんぱく質をしっかりとり、合成を活発にすることが必要です。たんぱく質は、肉・魚・卵・牛乳などに多く含まれる「動物性たんぱく質」と、大豆や穀物などに多く含まれる「植物性たんぱく質」に分けられます。どちらもバランスよくとるようにしましょう。肉をとる際には、脂肪分の少ない赤身の肉がおすすめです。
筋肉にとってもう1つ大事な栄養素が、ビタミンDです。魚介類、卵、きのこに多く含まれています。ビタミンDには、体内のカルシウム吸収を促して骨を増強するとともに、筋肉の合成を促す作用があります。
また、ビタミンDは日光に当たると体内で合成されるため、日に当たることも大切です。高齢者の方は、肉や魚などのたんぱく質が足りなかったり、ごはんなどの炭水化物を中心とした食事になったりすることがあります。また、過度の食事制限をしている女性も、たんぱく質が不足しがちです。筋肉をつけて健康を保つには、メニューを工夫し、積極的にたんぱく質やビタミンDの摂取量を増やすようにしましょう。

大小の筋肉を含めて約600もの数があり、それぞれの動作に合った筋肉を使って日々の活動を行っています。
その中でも大切な体を支える体幹の筋肉や歩くのに必要な下半身の筋肉を鍛えるようにして、健康で過ごしてみましょう。